冬剪定を終え、防虫薬剤と芽出し肥も施し、芽吹きが始まった2月下旬。晴天続きで久しぶりの水遣りをした朝、鉢バラの枝先の異変に気付きました。
冬剪定した切り口にカビが生えていた
冬剪定で枝を整理し、残した枝先の一部に、フッサリとカビが! 色は黒や緑灰色。
1株あたり2、3本くらい、剪定した枝の切り口にカビが生えていた。どうしてこうなった?こんな状態、初めて見ました。
もちろん、キレイに乾いた切り口もあるし、多少樹液が漏れても塞がった切り口もあります。それらにはカビは生えていません。
冬剪定した直後の切り口は、そのままでも乾燥した冬の空気にあたれば、割とすぐ乾いて塞がるものです。太めの枝だと切り口に癒合剤を塗ることもありますが、大抵すぐ乾きます。
カビが生えた枝に共通すること
カビが生えた枝を観察すると、切り口のすぐ下の樹皮に、筋状に白い粉が付いていました。カイガラムシが発生したのかと思ったけど、ちょっと違う。粉の部分は、塩水が乾いた後に残った塩のような感じ。爪楊枝でそっと触ると、ハラハラと灰のように剥がれます。
おそらくこれは、冬剪定した切り口から流れ出た、樹液が乾いたものと思われます。粉になって残ったのは、吸い上げた水分に含まれた、ミネラルなどの栄養分なのでしょう。
冬剪定後の切り口から樹液が漏れる原因
「樹液が漏れる」ということは、「枝が活動していて水分を吸い上げている」ということ。
通常、冬季のバラには、あまり水遣りはしなくても大丈夫。軒のある集合住宅のベランダで育てていた時は、冬季の水遣りは月に2~4回くらい。今は屋根無し屋外土間のため、雨や雪の水分で十分なので、水遣り不要。晴天が長続きした時だけ水遣りします。
ウチのバラ達、休眠しているはずの真冬に剪定したのに、なぜ活動していたのだろう?
ウチの鉢バラ限定で思い当たること
もしかしたら、今冬の気候が原因かもしれない。雪が降るほど低温の日と、20度近くまで高温になる日が、繰り返しあったような。そして、雨の日も多かったような。
低温で休眠していた株が、時ならぬ高温でうっかり活動してしまったのかな?雨も多かったので、いつもの冬より多く水分を吸い上げてしまったのかも。
今冬の枝と切り口をよく見てみると、樹液が漏れて雫が垂れている枝、癒合剤の膜が樹液でフヤけて剥がれた枝も。カビが生えなかった枝も、樹液が乾いてできた白い筋が多数。
漏れた樹液は栄養豊富。季節外れの高温に晒されて、その辺に居るカビ菌の発生条件が揃って、あっという間に大発生。そんな状況だったのかもしれません。
カビを除去する
冬剪定した切り口にカビが生えたのは残念。けれど、その部分以外は意外と影響なし。動き始めた新芽も勢いがあります。とはいえカビを放っておく訳にもいかない。
枝に長さがあれば切り戻し。切れない部分ならカビを除去。そして殺菌効果のある薬剤を散布します。切り口や薬剤が乾きやすい、乾燥した晴天の日にカビ除去作業しました。
長さに余裕がある枝は切り戻す
去年出たサイドシュートを剪定した切り口にカビ発生。悲し過ぎる。
除去する部分のすぐ下の芽の上で切り戻しました。作業した日が晴天だったこともあり、切り口はすぐに乾きました。他の株の発生枝も、長さに余裕があれば切り戻し。切り口に癒合剤を塗るか迷ったけど、半数は塗らずに様子を見ることに。あと半数は塗ってみました。
切れない部分はカビを除去
残した分岐部分にカビ発生。
分岐部分の上には良い芽が伸び始めていました。長さに余裕が無いので切り戻さず、出来る範囲でカビを除去。爪楊枝、綿棒、ティッシュなどを使って、カビの塊を除去。
カビを除去したら薬剤散布
発生したカビの種類は分からない。正直、どの薬剤がいいか分からず困惑。カビ菌に対応できるのは、「黒星病やウドンコ病に効くもの」と判断。その時ウチに有った薬剤で対応できそうなのは「カダンプラスDX」。これから育つ新芽の防虫も兼ねて使ってみました。
カビ除去作業から1か月後
切り戻した部分は、どれも切り口が無事塞がり、動き出した新芽に水分が回った様子で、樹液漏れはありませんでした。
切り戻さずカビ除去だけした部分も、色の黒ずみは残ったものの、カビの再発生はごく僅か。あくまでウチの状況ですが、カビ除去作業時に空気が乾燥していたのが良かったのでしょう。
順調に芽が育ち、春にたくさん咲いてくれるのを楽しみにしています。
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