4月上旬のこと。ウチのバラ鉢のマルチングが荒らされる事件が頻発。
マルチングを荒らしたのは「カササギ」
数日の観察の結果、犯人は「カササギ」と判明。警戒心が強くて、逃げ足が早い。
北部九州ならどこにでもいます。かっこいい羽根色、賢いらしい。でも、せっかくの賢さをウチのマルチング荒らしに使うのは困る。
仕方なくマルチング材を変更
今年のマルチング材はクリプトモスを使っていました。何が気に入ったのか、カササギは何度も飛来。巣材に使ったのか、食べたい虫が隠れていると思ったのか、遊びなのか。荒らされ過ぎて量が減ってきました。
仕方がないので、マルチング材を取り換えることに。人が作業する様子を見せて警戒心を持たせるのも狙い。なにより鉢のマルチ材への興味が薄れてくれるといいのですが。
網状シートそのまま
急なことだったので、予備のマルチ材では鉢全部をカバーできず。半数の鉢はマルチ材の下地にしていた網状シートだけの状態にしました。
これはこれで簡素で良いかもしれません。けれど、去年から使い続けているので、劣化しているのが気になります。よじれた隙間からコガネムシが入りそう。
少し残したクリプトモス
今年敷いたクリプトモスは2鉢を残してみました。あとは全部撤去。
撤去したクリプトモスは、捨てるのは勿体ない。乾燥させて回収袋に入れて保管。植え替え時に用土に混ぜて再利用します。
買い置きのココファイバー
観葉植物のマルチングに使う予定で買い置きしていたものを、カササギ対策に流用。
ひと掴みずつ、長めの塊にまとめて、塊の端を少しずつ絡ませておきました。
昨年の使い残しのココチップ
昨年のマルチングに使った残りをとっておいたココチップ(角切りLサイズ)。
観葉植物の植え替え時に、用土に鋤き込んで使うつもりでした。
1カ月ほど様子をみた
カササギは何度か飛来した様子。残したクリプトモスには、なぜか被害はありませんでした。
代わりに狙われたもの
クリプトモスはなぜか無事。網状シートのみの鉢も無事。荒らされたのは、ココチップとココファイバーでした。カササギにとっては「目新しいモノ」に見えたのかも。
ココチップは蹴散らされて粒が散乱、片付けが大変でした。粒を持ち去ったかは分かりません。ココファイバーは2回荒らされたけど、鉢から浮き上がっていた程度で済みました。
ほぐせなくて持ち去れず、諦めたのかも。
今後ウチで使うマルチング資材を考えた
野鳥の襲来をきっかけに、ウチの鉢に適したマルチングについて、改めて考えてみました。その場しのぎの対策で判断材料が少ないけれど、ウチの場合は【野鳥に奪取されにくい資材と敷き方が重要】と分かりました。
今後、ウチでは【網状シート+ココファイバー】にします。決め手は、
- 敷き方次第で野鳥に持ち去られにくくできた
- 荒らされても後の片付けが楽だった
- 100円ショップでも買える
それにしても、鉢のマルチング資材が野鳥に持ち去られるなんて…野鳥様には山にある素材を使って頂きたいものです。
これまでに使ったマルチング材
バラを育て始めたのは2016年の春。当時は鉢土の表面に対策が必要とは知りませんでした。
マルチングの必要性を実感したのは、3鉢目のバラがコガネムシ食害に遭ったとき。その際、害虫対策のほかにも良い点があることを知り、バラ鉢にマルチングをするようになりました。
マルチング材を使うメリットとデメリット
マルチング材の種類は多種多様。
- 自然の資材: バーク(松皮)・ココナッツ果皮繊維・杉皮・木の端材・藁・石など
- 人工の資材: 樹脂フィルム・不織布シート・網状シートなど
それぞれ一長一短あります。共通するメリットとデメリットはこんな感じ。
【メリット】
- 水やり時の泥はね防止(黒点病などの病気予防)
- 害虫の侵入と産卵防止(コガネムシやカミキリムシなど)
- 雑草防止(土の表面を遮光)
- 土表面の乾燥防止と温度調整(夏季の遮光と保水、冬季の保温)
【デメリット】
- マルチング材に覆われた土の状態が見えない
- 農薬や肥料を撒くときに、マルチング材を除けるのが面倒
これまでに私が鉢栽培で使ったマルチング材は4種。メリットとデメリットは概ね共通しています。以下に4種の実際の使用感をまとめてみました(個人の感想です)。
網状シート(100均の滑り止めシート)
網状シートが鉢のマルチングに使えることを知ったのは、コガネムシ対策を調べていたとき。買い集めた園芸書籍のひとつ「バラのお悩み解決帖(真島康雄先生)」で、「園芸ネットを鉢面に固定」という方法を見つけました。農薬不要なところに惹かれたけど、園芸ネット自体が大きいと、切り出しや残りの保管が大変そう。固定は大事だけど取り外しが面倒?と躊躇。
100均で買える扱い易そうな網状のモノを探すと、防風ネット、薄手の鉢底網、滑り止めシート、台所の水切りネット、麻シートなどが良さそう。適量を買いやすく、切って加工しやすい。
結局、100均の滑り止めシートを選択。
良かった点:
- 100円ショップで買える
- 柔らかくてハリもあり、加工しやすい(鉢サイズや株元に合わせやすい)
- 害虫侵入防止ができる(鉢面と株元に合わせて切る)
- 泥はね防止、通気性、水はけが抜群
- 鉢底網の代用にもできる
- やや重みがあり、滑り止めの効果もあって、強風でも飛ばない(台風では飛ぶ)
- 薄いので、上に他のマルチ材を重ねて敷ける
- 他のマルチ材と一緒にめくれて扱いやすい(土表面を見やすい)
- 意外と長持ち(鉢サイズが変わらなければ2年は同じものが使える)
惜しい点:
- 遮光性は今ひとつ(無いよりはマシ)多少、雑草は生える
- 土表面の保水と温度調整はできない
- 鉢面と株元に合わせて切らないと虫は入る
- 見ためが残念(黒や濃茶はまあまあ)
2016年の後半は滑り止めシートのみ使用、2017年以降は他のマルチング材と併用して、今も使っています。
クリプトモス
クリプトモスは杉皮を裂いたもの。サイズはS、M、Lがあります。杉の香りもいい感じ。
良かった点:
- 時間が経つと厚みが減って良くまとまり、鉢面に馴染んで扱いやすい
- 遮光性が抜群で雑草防止の効果が高い
- 保水性と通気性が良い
- 土表面に敷くとマルチング材、土に混ぜ込むと土壌改良材になる
- 1袋の量が多くて割安
惜しい点:
- ウチの近所の店では入手しにくい(通販だと送料のほうが高い)
ウチでは2017年と2020年前半にLサイズを使いました。
ココファイバー
ココファイバーは椰子の実の果皮繊維で、糸のように細長くほぐされたもの。(円盤状に成型されたものもある)
良かった点:
- 軽くてカサ高く、ヘタりにくくて長持ち
- コンパクトに袋詰めされていて、ほぐすと凄い量になる
- 少量サイズは100円ショップでも買える
- 適度にまとまるので、土の上に直接置いても扱いやすい
- 脱色や染色されたものもあり、見栄えが良く、室内使用にも好適
惜しい点:
- 保水性・遮光性は今ひとつ、屋外だと多少雑草は生える
- ゴワゴワと張りがあり、鉢面に馴染むには少し時間が掛かる
ウチでは2018年に使用、鉢に合わせて加減できる繊維状のものにしました。
ココチップ
ココチップは椰子の実の果皮を破砕したもの。ハスクチップとも呼ばれます。サイズは多様で、フレーク状~サイコロ状、細長く粗く砕いたものなど、色々あります。フレーク状のものは軽量の培養土のベースに使われます。
良かった点:
- 軽くて、保水性と通気性が抜群。真夏の炎天下でも保水できた(←ウチの鉢)
- 角切りタイプは形が崩れず長持ち
- 土表面に敷くとマルチング材、土に混ぜ込むと土壌改良材になる
- 一袋の量が少量~大量サイズと豊富、用途に合わせて買いやすい
惜しい点:
- 鉢土に直に撒いた場合、ポロポロしてまとまらないので、土の状態を見るのが大変(網状シートを敷いた上に撒いたら、網と一緒にめくれて扱い易くなった)
- 保水性と通気性が良いため、ココチップ自体に雑草の種が付くと、雑草もよく育つ
ウチでは2019年に角切りLサイズを使いました。
マルチング材は環境や使い勝手によって選ぶ
ベランダで鉢栽培とか、庭に地植えとか。海辺とか内陸とか。市街地でも緑の公園が近いと鳥や虫は来ます。鉢を置いた環境や、それぞれの好みや使い勝手によって、マルチング材に期待することが変わってくると思います。
今の住まいの立地は山麓。屋外の屋根なし土間で鉢栽培。鳥にマルチ材を持ち去られた事をきっかけに、ウチの鉢バラのマルチングについて振り返ってみました。かなり局地的なレポートでしたが、何かの参考になれば幸いです。
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