春の芽吹きの頃を迎えると、柔らかい新芽を狙って虫達も活動を開始。隣は雑草地、背面は藪。2方向から攻めて来ます。不利な状況ですが、出来るだけのことはしてみました。
春先の害虫対策
2020年は芽吹きの前から2種類の薬剤を使い始めました。
- 根から吸わせる粒状薬剤
- 殺虫殺菌剤スプレー
山麓で隣は雑草地という立地から、無農薬はどうにも無理。割り切って、農薬の表示の薬剤を使いました。飛んでくる虫は防げないので、薬剤を使って食害を最小限に抑えます。
根から吸わせる粒状薬剤
今年ウチで使った“根から吸わせる薬剤”は、去年の使い残しの「アースBotaNice土にまくだけ虫退治」。「バラ」など花卉類には1株当たり1gが目安のようです。以前、同一成分の薬剤「スターガード粒剤」で、ウチの一部のバラに薬害が出たので、少なめに撒いてみました。
この薬剤の総使用回数は、花卉類だと1シーズンに5回以内。散布した時期は、2月末・3月末・開花に備えた4月末。その後は、花後の6月初めと、夏剪定の頃の8月末~9月初め。
パッケージは詰め替え洗剤のように簡素。ほとんど薬臭が無く、手を汚さずに撒けるので重宝しています。
殺虫殺菌剤スプレー
これまでのスプレー剤は「薬臭の少ないもの」かつ「食品成分由来のもの」を選んできました。これらは薬臭が少なく、虫が付いた時に即効で、何度でも使える。扱い易くて大変重宝しました。ただ、持続しての効果はいまひとつ。
今年ウチで使ったのは「ベニカXファインスプレー」。殺虫殺菌剤と表示されています。害虫や病気に対する即効性と持続性があり、予防も期待できる農薬。薬臭あります。
薬効は約1カ月(アブラムシ類)、「バラ」には総使用回数が4回以内。これは株全体に散布する場合と思われます。
散布した時期は、新芽に勢いがついた3月中旬、蕾がまだ緑で堅い4月中旬。その後は「虫が付いたら退治」「新たに伸びた新芽」と、その都度、部分的に散布しました。
今は建物から離れたところに鉢を置けているので、薬臭は抜けやすい。使い方をよく読み、マスク、手袋で、地道に防虫作業。
害虫はやってくる
昨年の夏季はロクに手入れができず、虫達に食い散らかされて悲惨なことに。今年はしっかり虫予防、無事に芽吹いて安堵…している間もなく、奴等はやって来るのです。
チュウレンジハバチに花芽の枝を狙われた
4月のはじめ、順調に伸びた新芽には蕾の気配も見えてきた「ハルガスミ」。なんと、花芽の枝には既に孵化痕が(涙)。あちらこちらに、黄色い体に黒い羽根の奴らがいる。
まだ柔らかい花芽の軸に、まさに産卵中!…捕殺仕る。
産卵された部分は翌日には黒ずみ、放っておくと約10日で孵化します。産卵直後の線状の産卵痕を見つけたら、楊枝など針状の細いものを刺して卵を潰します。…私はこの作業が苦手。
この作業は間に合わないことの方が多いので、根から吸わせる薬剤を使うことにしました。残念ながら、産卵痕の周りの変色や、パックリ割れは防げません。それでも、あらかじめ株に薬剤が浸透していれば、孵化後に多少葉を食害されても、幼虫は育たず駆除できます。
ヨコバイに吸汁されて葉がシミだらけ
昨年のハバチ被害で丸坊主にされた「ラレーヌビクトリア」。冬の強剪定にもめげず、清々しく芽吹いて嬉しい春。4月の時点では、ラレーヌビクトリアにはチュウレンジハバチの被害は無し。しかし、緑鮮やかな新葉に、点々と丸いシミ。
葉裏に潜む黒い影。裏側を見ると、薄緑の体に黒い隈取りのような模様、「シロズヒメヨコバイ」のようです。見た目はカッコいいけど、ムカつく。
他にもいろんな種類のヨコバイが来ていたことが判明。
スプレー剤で一網打尽にしてやりました。
花にはコガネムシが潜んでる
ようやく開花したのに、いくつかの花は穴だらけ。コガネムシが潜んでいました(涙)。背中のV型の透かし模様から「カタモンコガネ」のようです。
しかしコガネムシも運の尽き。花にも薬剤が浸透していたのでしょう、数日後の鉢回りには息絶えたコガネムシが累々と…。いろんな意味で怖い。
葉が縮んでいたのはカメムシが原因
初夏の若葉に、薬害か虫害か分からない「縮み」が出ることが気になっていました。その現象の原因は「カメムシ」。ついに現場を押さえました。種類は分りませんが、茶色の細い奴。
こちらも、スプレー剤で駆除。
ハバチは何度でもやって来る
梅雨が長引き、「根から吸わせる薬剤」の6月分の散布が遅れてしまいました。その間に伸びた新芽は、ハバチ類の標的に。夏後半の薬剤散布で、地道に駆除を続けます。
チュウレンジハバチは柔らかい枝を見逃さない
成長著しい「ハルガスミ」。高さ2mの先端の柔らかい部分、支柱が足りず枝垂れてきました。薬剤散布が間に合わず、チュウレンジハバチの標的に。
題して「青空とチュウレンジハバチの孵化痕」。悔しいなあ。株元から約1mは茎に虫害を負わずに済んだので、先端くらいは見逃してやる…負け惜しみですね。
クシヒゲハバチは晩秋まで粘る
生まれたての頃の「クシヒゲハバチ」の幼虫は、半透明の体に食べた葉の緑が透けて、意外と可愛いのです。食害跡もステンドグラス風に薄皮を残す繊細さで感心してしまう。
しかし成長するにつれ、グロテスクな見た目に変貌します。チュウレンジハバチ幼虫の斑模様もイヤだけど、成長したクシヒゲハバチ幼虫の生々しさは超無理。葉の食べ方も荒っぽく、一匹でも葉脈を残して食べ尽くす。成長サイクルが早いのか、蛹や成虫は見たことがありません。
今年もクシヒゲハバチが来たようです。葉の軸に産卵痕、透かしたような食害跡が。
今年は薬剤が効いているおかげで、食害は軽微で済んでいます。なんとか、これくらいで済めばいいのですが。去年は10月末にも発生していたので、油断はできません。
夏剪定の後に、もう一度薬剤散布
開花前から薬剤を使って予防したことで、害虫からの食害を最小限に抑えられたと思います。そして茎の無傷の部分を長く伸ばすことも、それなりに出来たように思います。
8月末~9月初めの夏剪定の後に、もう一度薬剤散布をして、秋の開花に備えます。
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