オルラヤをプランターで育ててみた

書籍やネット上のバラ写真を見るのも好きです。いろいろ見ているうち、かなりの割合でバラの周りに可愛らしい白い花が写っていることに気付きました。検索してみると【オルラヤ(オルレア)・グランディフローラ】という名前らしい。可愛いなあ、ウチのバラとも飾れたら。プランターでも育てられるかな?と好奇心が。

以下は、実際にウチのプランターで育てた2019年秋~2020初夏までの記録です。失敗しつつも、なんとか咲いてくれました。

プランターで育てたオルラヤ

プランターで種から育てたい

大手通販サイトでオルラヤの種を検索。写真を見ると草丈が高そう。深さのある鉢が必要かも。暖地なら秋蒔きで春咲き、間に合うかも?と、2018年の9月に種を購入。しかし諸事多忙でその年の秋には蒔くことが出来ず。種はそのまま1年持ち越してしまいました。

オルラヤは地植え向きな植物

購入した際に添付されていたガイドによれば、オルラヤは欧州の乾燥ぎみの草地で自生していたものが園芸品種化されたもの、とのこと。耐寒性があり、草丈は約50~70cm、春にレースのような白い花が咲きます。どうやら地植え向きの植物のようです。

種まき

2019年11月の1週目、ようやく種まき。種は到着時の小袋のまま1年放置されたもの。しかも適温で適期の9~10月を過ぎてしまった。冷え込みも始まっていたけど、ダメで元々で蒔いてみました。

用意したもの:

  • オルラヤの種
  • 草花用の用土(草花用の軽い土、元肥入り)
  • プランター(25cm角×深さ30cm)×2鉢
  • 鉢底網

オルラヤの種は好光性とのことで、用土の上に10粒ほど直播き×2鉢。あとで間引きやすいように、数cmの間隔を空けました。しかし低温のせいか、3週間たっても発芽の気配は無し。

直蒔きしたオルラヤの種

あきらめかけた4週間目の11月末、ようやく発芽。耐寒性の植物とはいえ、細長い双葉は小さくて弱そう。ウチは山麓で割と冷えるため、雪や凍結に備えて不織布で囲ってみました。

発芽したオルラヤの種

※ 適期に蒔いて、本葉が繁るまでに育っていれば、霜よけも不要なほど丈夫だそうです。

成長過程

双葉が開いてから10日ほどで本葉が出現。1ヵ月で本葉の数も増えてきました。本葉が3~4枚になった頃、1鉢は4株、もう1鉢は3株を残して間引きしました。葉は大きく広がるので株数は1鉢に2~5本で良さそう。密植すると小柄になるのでしょう。それも可愛いかも。

本葉が出たオルラヤ

2月末には本葉が5枚ほどに増えてきました。暖かくなったので霜よけの不織布は撤去。3月末には葉数が増え、草丈は15cmくらいに立ち上がってきました。

開花

4月の3週目、草丈は約40cm。花芽が伸び始め、約2週間で高さ60cmほどに。盛んに枝分かれして、花芽もどんどん増えました。

オルラヤの開花

5月の1週目、バラより先に開花。内側には小さな花がまとまり、長い花弁の花が外側を縁取ります。とても可愛らしい花姿です。次から次へと咲き続け、5月の末まで楽しめました。

花には虫がくる

開花の翌日、小さな甲虫が花に密集していて驚愕!虫達の好む香りと蜜があるのでしょう。マーガレットなどでよく見かける虫と同じ姿、ヒメマルカツオブシムシのようです。

オルラヤに寄って来る虫

花の下の枝を手指で緩く挟んで虫を振り払い、花に直接当たらない遠めの位置から水性キンチョールを噴射し、退去して頂きました。

花を飾る

摘んだら裏に潜む虫も除去。枝は細いけど張りがあって飾り易く、花持ちも良好です。

オルラヤを飾る

白い清楚な花姿、バラだけでなく他の花とも相性良し。オルラヤだけでもきれいです。

花の終わりと新しい種

花のほとんどは飾るために摘んでしまいましたが、種ができるか試したくて、いくらか花を残しておきました。満開の状態を1週間ほど保ったら花弁が散り始め、更に2週間後の5月末には、もう種が出来ていました。

花が終わったオルラヤ

5月下旬の高温で株全体が黄ばんできました。大きな種のついた茎だけを残し、種ができなかった花ガラや枯葉を除去。

オルラヤの種

6月の梅雨入り前、カリカリに乾いた種を収穫。種は乾くと2つに分かれます。くっつき虫のような見た目で、殻のイガイガの棘はかなり痛い、手袋必須。穫れた種は、古新聞紙で巻き、乾燥材を添えて袋に入れて保管。次の秋は収穫した種から育ててみたいものです。

オルラヤの良いところ

とにかく見た目が可愛い。繊細なレースのようです。茎は細いけれど、意外と丈夫で折れにくい。庭植えで群生が出来たらきっと素敵、風に揺れていい雰囲気になりそう。開花期が春から初夏までと長く、枝分かれしながら次々と咲きます。

花が開いたら1週間は崩れず、花持ちも良いです。9分開きくらいで摘んですぐに水に挿し、水揚げが上手くいけば長く花が楽しめます。

良いことづくめですが、切り花にした時、1つだけ惜しいことが。

しべが落ちやすい

しべと花粉が落ちやすいです。置き場所が濃い色だと、割と目立ちます。

オルラヤを育てる時の注意点

オルラヤを育てる時に気を付けることは、

  • 発芽に適した気温の時期に蒔く(20度前後)。
  • 土には浅く蒔く。直蒔きでもOK。
  • 根は直根のため、移植や定植は小さいうちに。

九州のような暖地の場合、オルラヤの種蒔きの適期は、9~10月。発芽に適した気温20度前後が保てる時期です。春に蒔くと、初夏に花を見られるそうです。

好光性種子なので覆土するなら薄く。直蒔きも良いので楽。日当たりの良い場所だと、約1~2週間で発芽します。苗ポットで発芽させて、好みの場所やプランターに定植するのも良いと思います。

密集を間引いたものを移植する場合は、本葉が数枚くらいの小さいうちに。オルラヤの根は直根で折れやすいので、根がまだ短いころに、根回りの土ごと移植すると良いと思います。

また、耐寒性があり丈夫で、庭植えだと「こぼれ種で増えていく」ほど強いそうです。ただ暑さには弱く、暖地では夏には枯れます。

もとは自生種だからか肥料もあまり要らず、最初に緩効性肥料を元肥として土に混ぜておけば、その後の追肥は不要。水遣りは乾き過ぎない程度に与えればOK。構い過ぎないくらいで良いようです。

プランターで育てた私の反省点

ウチで蒔いた種は、購入から1年放置してしまったもの。しかも適期を過ぎた11月に蒔いたためか、発芽できたのは約半分。蒔くのが遅すぎたと反省。発芽したオルラヤは順調に育ったので安堵。やはり種を蒔く時の気温(日照での地温?)が大事で、プランターか地植えかの差は無さそうです。

もうひとつ、プランターならではの反省点。土の厚みが減ることを予想できていなかった。使った土は「草花用の軽い土」。ココピート主体で軽くて水はけがよく、元肥も添加済み。良い土で楽でしたが、このフカフカの土は水やりの度に圧縮されていった様子。鉢底石を省いてまで土の深さを気に掛けたのに、種を蒔いた時から3cmほど土の厚みが減ってしまいました。オルラヤの根にとっては窮屈だったことでしょう。

そんな残念な状況でも、発芽して育って花を咲かせ、種も残せたオルラヤって、凄いです。

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