僅か2年でまた引越し、次は市街地の集合住宅へ。困ったのは30鉢以上の鉢植え。義両親の盆栽、草花、観葉植物、私の鉢バラ、花木。どう考えても集合住宅のベランダには持っていけません。
盆栽は業者さんに引取り依頼、鉢バラや観葉植物等は処分。できれば次の住まいのベランダにも植物を置きたい。せめて季節感を楽しめたらと、花木の中から鉢植えの桜を持っていきました。
河津桜は鉢植えでも楽しめる
河津桜は自然交配で生まれたのだそう。発見されたのが静岡県の河津町なので「河津桜」とのこと。地植えが自然だけど、鉢植えにすると鉢のサイズで素直に育つそうです。
河津桜の一般的な植付け時期と方法
河津桜は早咲きの桜で、一般的な植付け時期は「11~12月、厳冬期を避ける」とのこと。用土の配合は「赤玉7:腐葉土3」。植付け方法は「苗木の根鉢は保ち、表面の土を少しほぐして植え付ける」。接ぎ口は地面より上、接ぎ木テープが残っていれば取り外します。
ウチの鉢植え河津桜・2年間の成長記録
河津桜の苗木を購入したのは、感染症対策が本格化した2020年の早春。今後はお花見も難しくなりそう、せめて家で楽しめたら、と思ってのことでした。
2020年 苗木を植木鉢に植え付け、鉢に馴染ませる
2020年2月の3週目。迎えた当時の苗木は先端が2枝に分かれた姿で、開花寸前の蕾が付いていました。この苗の場合、植付け時に根や株全体に刺激を与えないほうがよさそう、と判断。接ぎ木テープを除去したあとは、一般的な植付け方法から少しだけ変更。根鉢の表面の土は崩さず、そのままの状態で植え付けました。
資材を準備して植付け
まずは、資材を準備。
- 植木鉢(底面径が苗ポットの2倍位の安定したもの)
- 用土(赤玉中粒7:腐葉土3)
- 鉢底石
- 支柱と園芸タイ
- 量の調整用の土(ウチはバラ用培養土の残り)適宜。無くてもよい。
- 根腐れ防止剤(ケイ酸塩白土)
桜の根は横に広がるので、鉢は底面が広めのものが良いです。このとき使ったのは手持ちのダイソー9号鉢。縦長ですが、底面の広さはあるので、後に植替える前提で使いました。
大型袋に用土(赤玉中粒7:腐葉土3)を入れて混合。鉢サイズに対して少なめになったので、手持ちのバラ用培養土の残りで嵩増し。根腐れ防止剤(珪酸塩白土)も少し混合しました。肥料は花後に施すので今回は無し。
鉢の底に鉢底石を敷き、混ぜた用土を少し入れて待機。苗木の根鉢を置いて、鉢の表面になる位置を確認して用土を追加。
苗木の接ぎ木部分は、土から出るようにします。接ぎ口が埋まると、台芽が出やすくなるのだとか。適量の用土を入れたら植付け完了。苗が自立できない時は、適宜支柱を添えるとよいです。
植付けたら、底から出る水が透明になるまで充分に水やり。
マルチングは、鉢植え桜の場合は各自の好みで良いようです。盆栽の場合は、苔や化粧砂、小粒の軽石などを施してあるのをよく見かけます。ウチの鉢植え桜は、最初はマルチング無しで始めて、日差しが強くなる頃、乾燥防止目的で施すことにしました。
最初の開花、花後は新枝の伸びを見守り
2月末から3月初めに無事開花。少ない枝に精一杯咲いた姿は、なんだか健気。まだ低温の時期で花持ちも良く、10日間ほど楽しめました。
3月中旬、胴吹きの花芽と小枝の付け根を剪定鋏で除去。切り口には癒合剤を塗布。
3月下旬、緩効性肥料を施肥、防虫薬剤の散布。(その後は5月・9月に施肥と薬剤散布)
4月末、先端から花後に伸びた新枝2本と、一節下から出た新枝1本とで、主な枝は3本に。これは徒長枝というもので、花芽が付かない枝なのだそう(当時の私はそれを知りませんでした)。1カ月後にはそれぞれ約20cmも伸びて、傘のような横広がりに。ともあれ、この株にとっては貴重な枝、とりあえず伸びてもらいました。
5月末、30cmを超えた所で新枝の先端を摘み、伸びを止めました。(これも私は知らなかったのですが、花後に伸びた新枝は、5月の初め頃に2~3節くらいで切り、2番芽を伸ばすと良いそうです。)
台芽を除去・年末の土替え
4月以降、根元から何度か台芽(だいめ/ひこばえ)が出現。見つけ次第、根元から除去。接ぎ口は土表面より上に植え付けたけど、台木の土中に埋まった部分から出るものは仕方がありません。
7月中旬にも台芽出現。もう何本目だろう、ちょっと根負け気味。「そんなに出たいなら、どこまで伸びるか見てやろう」と、好奇心が(本当は摘むべき、良い大人はマネしないでね)。
11月、水遣りは欠かさなかったのに、本体の河津桜は弱り気味。台芽は生き生きと繁茂。本体の葉は常に水切れがちで、早々と落葉してしまった。これはもう、台芽が原因と確信。
12月末、土を替えて植え直しする際、台芽を分離。本体の河津桜の台木よりも太い根、台芽は3本に分岐という、禍々しく成長した姿に驚愕。
教訓【台芽は徹底して除去すべし】
台芽と台木の分離部分はカッターで平らに切り直し、切り口には粉状にした根腐れ防止剤をまぶしました。
河津桜本体の株を土替えして植え直し
台芽を除去した本体の株を、土替えして植え直しました。
土替え用の資材は以下の通り。
- 用土(赤玉中粒7:腐葉土3)
- 植木鉢・鉢底石(再利用)
- 支柱と園芸タイ
- 緩効性肥料
- 根腐れ防止剤(ケイ酸塩白土)
分離した台芽は別鉢に植付けました。
2021年 枯らさないように見守り
桜の世話の仕方は、ネット等でその都度調べた程度の知識しかなく、手探りの1年。まだ幼木なので、とにかく枯らさないように見守りを続けました。
1年めの開花、大まかな樹形づくり、台芽との闘い再び
1月末、新芽が動き始めて嬉しい。けれど、丸い花芽は少ない。
2月末、無事開花。やっぱり花は少なめ。伸ばした3枝は徒長枝のため花芽はつかず。枝の継ぎ目の部分に、少しだけ小枝が飛び出していて、それについた花芽が開花。
3月末、すっかり葉桜。新枝になる芽のうち、伸びたら困る位置の芽のみ除去。
4月上旬、見事な(?)T字樹形に。樹高は低めに保ちたいので好都合。主幹はS字に湾曲していて個性的。今は細くて頼りないけれど、この姿を保ったまま、幹や枝葉が充実してくれれば。
4月末、はずみで鉢底が破損、やむなく手持ちの空いた鉢に植え直すことに。ダイソー9号鉢からリッチェル8号鉢に鉢替え、少しだけサイズダウンに。
5月末、6月末と、またしても台芽が出現。都度、根元から除去。台木の地下部がどうなっているのか、年末の植え替え時に根鉢をほぐして確かめなければ。
夏を越したころ、現在の集合住宅に引越し。
土替えと鉢増し
12月、土替えを兼ねて、鉢増し。リッチェル8号鉢から、底面広めで安定感のある9号菊鉢へ。今後はこの9号菊鉢を固定サイズとして使っていきます。
隠れていた台芽を元から除去
この土替えの際、根鉢をほぐして、台木の地下部の状態を確かめました。なんと、次の台芽の束が2組も控えていました。これはもう、元から断たなければ止められない。
根をほぐしながら、台芽の根元を探り当てたけれど、カッターが使えない位置。ブチッと引きちぎってみた(良い大人はマネしないでね)。台木に傷がついたと思うけれど、位置的に癒合剤を塗れません。ここは台木の生命力に賭けるのみ。どうか雑菌が侵入しませんように。
台芽は2組。それぞれ、太さ1~2cm×長さ5cmはあり、それから伸びた根の長さは15cm以上にも。これらの台芽は廃棄。
本体の土替え・鉢増し
除去したもの以外には台芽が無いことを確認して、本体の土替え・鉢増し作業を進めました。
用土は前年末と同じ、鉢は新たに9号菊鉢を用意。しっかりめの支柱も準備し、新しい鉢に土替えして植え直し、鉢増し完了。
2022年 2年目の開花
1月末、花芽が膨らみ始めて気もそぞろ。前年は花芽を付けなかった徒長枝にも、小枝が出て花芽の房が並びました。数も前年より多くて安堵。
2月3週目、いよいよ開花。2月末には満開に。今年は枝全体に均等に咲いて嬉しい。
ささやかながら、ベランダでお花見を楽しむことができました。花後はもう少し枝を増やし、樹形の整え方を試していきます。
追記: 2023年12月末、植え替え(土替え)をしました。
追記: 2024年4~5月、花後に伸びた新枝の整理をしました。
コメント