更新を待たずに再び住み替え・今後の住まいを再考

約2年前、当時住んでいた中古戸建を売却し、夫婦2人暮らしに丁度いい賃貸に住み替え。まずは家計の立て直しと諸事整理、私達夫婦の終活に着手したのでした。

いい賃貸物件だと思ったのに

建物は築古ながら堅牢に見えたし、何より駅近。玄関から駅ホームまで徒歩10分、しかもペット可は貴重。入居前に床と壁紙の張替えに好感、管理人常駐も安心感がありました。

持家を売却・2人暮らしに合った賃貸に住み替える
義両親との同居を解消、住んでいた中古戸建を売却して住宅ローンを精算し、私達夫婦は賃貸に住み替えることに。引越しを機に家財道具を絞り込み、諸費用も見直すことにしました。

しかし管理会社は曲者だったのです。現地の管理人さんは忙しい管理業務をこなしながらも、言葉優しく朗らか対応、信頼できそうに見えたのですが。

ペットトラブル放置

隣室で小型犬を多頭飼いしている様子。これは入居前に聞いていたし、鳴き声は気にならない。しかし、ベランダで犬の用足しをさせるのは…。入居早々、風向きによっては窓が開けられないほどの悪臭に困惑。(後日知ったが、この隣室の悪臭が原因の退去者が長期に続いていた由。これは聞いてない。)

ウチから苦情を出すか迷ううち、翌月に反対隣に入居した人が烈火のごとく苦情を出したため、ある程度の改善。とりあえず更新前までは住み、次を探そうかと。

施工不良の修理依頼をうやむやに

床は新品に張替えはされていたけど、引越し当日に施工不良が発覚。修理を依頼したが「コロナで人手不足、日程は後日連絡」→3か月後に確認するも笑顔で「コロナが長引いているので後日連絡」→時間の経過とともに、別の部分の継ぎ目も剥がれて浮いてきた。

駐車場空き有りは嘘

契約の前週に駐車場1台空き有りを確認→契約時「タッチの差で埋まりました」→空きの順番待ちに口頭で申し込み、管理人さん「待ち順位1番目に書いておきますね」。(順番待ちの申し込み文書が無かった事を疑うべきだった。)

やむなく近隣駐車場を利用。4カ月後に確認すると「分譲部分の人が出ないと開かない」「空き区画は来訪者や業者用」など二転三転。

他にも数々あったけど、略。

転居を決断

数カ月後の春の午後、引越しスタッフさん達が通路わきで途方に暮れていた。慌ただしく出入りする工事業者らしき人達のぼやきが丸聞こえ。「引越し当日に室内の水道管が壊れるとはね」家財を搬入できず、入居者さんも引越し業者さんも夕暮れまで待たされて気の毒。

その後も、管理室で何かと揉める様子が散見。漏れ聞こえるのは設備の不具合。

そして夏の午後、ウチの室内の床。継ぎ目の浮き上りに足先が引っかかって、私は転倒。(後日、背骨の1本を圧迫骨折していたことが判明。)

「この賃貸物件は危険」と判断、違約金を払ってでも「脱出」しなくては。床の施工不良もついぞ修理されず。最初の契約更新を迎えることなく、私達は転居を決めたのでした。

さっそく不動産サイト4社に登録、物件探しが日課に。

住み替えは振出しに

住まいの「賃貸か持家か」問題。一旦は「賃貸」で結論を出した私達。しかし思わぬトラブル続出で振出しに戻ってしまいました。

前回の住み替えに掛かった費用は、賃貸居住中の家計見直しで回復できています。次の住み替えは、金額だけでなく、建物の質と管理面の信頼性の高い物件を選ばなければ。

「賃貸か持家か」どちらであっても、ウチの場合、戸建は除外。賃貸に住む前に売却した中古戸建での暮らしで、もう懲りた。2階の物干しや外構の手入れなど、ヒザの悪い私にはキツかった。夫だって年を取る。ウチの今後の住まいは集合住宅で選んでいきます。

賃貸のメリット・デメリット

賃貸の場合、最大のメリットは「住み替えが簡単」。実際、賃貸物件でトラブルに遭い「脱出」してきた私達。ただし加齢が進むと、一般の賃貸は借りるのが難しくなります。

【賃貸のメリット】

  • 住み替えが容易
  • 建物の補修費用が掛からない
  • 固定資産税がかからない、相続を考えなくてよい。

【賃貸のデメリット】

  • 加齢で無職になると借りるのが難しい
  • 家賃、更新料などの費用が続く
  • リフォームできない

持家のメリット・デメリット

持家の場合、最大のメリットは「名義人の資産になる」。ただし資産に掛かる税金が発生します。ともあれ、持家ならリフォームは自由。ローン完済後の住居費は、戸建てなら補修費のみ、集合住宅なら管理費+修繕積立金です。

【持家のメリット】

  • 名義人の資産になる
  • 自由にリフォームできる
  • 完済すれば住居費は補修費や管理費+修繕積立金

【持家のデメリット】

  • 簡単に買い替えできない
  • 建物の補修費が掛かる、集合住宅なら管理費+修繕積立金が掛かり続ける
  • 固定資産税が掛かる、死亡時の相続の備えが必要

ウチの選択

ウチの収入=資産の主体は夫。夫の考えは、退職後は一般の賃貸を借りるのが難しくなることを踏まえ「やっぱり持家を得たい」。若い頃のような転勤はもう無いので「長く住める集合住宅を購入」することにしました。

「長く住める集合住宅を購入」となると、最低限の条件は

  • 築10年以内
  • 賃貸時の住居費のレベルで返済計画できること
  • 使い易い間取り
  • 車を手放しても大丈夫な立地
  • 堅牢な構造と安定した管理

欲張りに見えるかもしれませんが、還暦間近の私達には必須の条件です。

不動産サイトで売物件を検索する日々。条件に近い物件を見つけては資金シミュレーションと内覧を繰り返し、小ぶりの中古マンションを確保。冷え込む雪の日にようやく契約。

引越して数カ月。建物の造りや規約にも慣れ、穏やかに暮らせています。

集合住宅のイメージ

集合住宅のイメージ 写真AC

60歳以降の賃貸利用で覚えておきたいこと

賃貸に居住を続行していた場合、60~65歳頃を境に状況が変わることが予想されます。

収入が年金のみになっても、家賃の支払いに遅滞が無ければ、これまで住んできた物件にそのまま住み続けられます。しかし何らかの理由で住み替えるとなると、一般の賃貸では年齢や保証を理由に契約を敬遠されることも。

また、今は持家に居住していても、状況しだいで手放すことも有り得ます。

60歳以降に賃貸住宅を借りる場合、覚えておきたい形態が3種類。

  1. サービス付き高齢者向け住宅
  2. URの高齢者向け優良賃貸住宅
  3. 自治体の公営住宅

1は、一般利用がしやすいので次項にて概要を紹介します。(※私が知る限りの内容なので、詳しくは各自ご検索を。)

2と3は、運営が国や自治体のため申込条件に所得制限があります。詳しくは各自ご検索を。

サービス付き高齢者向け住宅

いわゆる「サ高住」です。年齢を理由に入居を断られることはまずありません。施設によって多少の違いはあるものの、サ高住の基本的な入居条件は

  • 60歳以上の高齢者/要介護認定を受けた60歳未満の方
  • 2人同居の条件:配偶者、60歳以上の親族、要支援以上の認定を受けた親族
  • 身元引受人、連帯保証人が必要(いない場合、家賃債務保証制度を利用)

【メリット】

  • 自立で入れる、生活の自由度が高い
  • バリアフリー構造
  • 初期費用は「敷金数カ月分」、体調が安定していれば住み続けられる

【デメリット】

  • 月額費用は一般の賃貸より高額
  • 「サービス」とは「安否確認サービス」「生活相談サービス」であり、介護は別料金で外部の介護サービスを利用
  • 要介護度が増したら、「介護型のサ高住」または「介護施設」へ移動

状況に合った選択を折々に判断

加齢が進み、自力で生活できなくなったら、訪問介護を利用したり、介護施設や病院に頼ることになります。

自力の判断力がある間は自宅で過ごしたい、その「自宅」が「賃貸か持家か」。自分の状況に合った選択を折々に判断していくことになります。

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