ベランダの鉢バラのハダニ対策・水スプレーと薬剤で駆除

前居は山麓。鉢バラ達の置き場所は、屋根無し土間で雨ざらし。隣の雑草地からの羽虫の襲来には困惑しましたが、意外にもハダニ被害はごく僅かでした。

現居は平地の集合住宅。今年の梅雨前後の高温で、ベランダの鉢バラ達にはハダニが大発生。

バラの葉のハダニ被害

諸事都合で手入れが疎かになると、僅か数日で大半の葉が白っぽいカスリ模様になるのです。

ハダニはしぶといが弱点がある

ハダニは微小なクモの仲間。高温・乾燥を好み、植物の葉の汁を吸う生き物です。糸を出し、風に乗って、どこにでも飛んでいきます。緑地から離れたベランダにも余裕で飛来。

ベランダや軒先は雨が当たりにくく、特に夏季は高温・乾燥気味になりがち。そこに鉢植え植物が置いてあるなら、その葉はハダニに都合の良い繁殖環境となるのです。

そんなハダニにも弱点が。水に弱いのです。散水や雨水が掛かると、簡単に流されます。

ハダニ対策(ウチの場合)

一般的なハダニの予防と駆除方法は、大きく2つ。

  • 水スプレー
  • 薬剤(殺ダニ剤/物理防除剤)

ハダニの予防と駆除は、葉裏への散水が簡単で効果的。対応する薬剤もありますが、鉢植えが数個程度なら、発生初期のうちに散水で対策するほうが安全で経済的です。

水スプレー

安全で安価な水スプレーは、ハダニ対策の基本。ご近所さんにも気兼ねが要りません。他の虫への対策も兼ねて、スプレーの水に天然由来の忌避剤などを添加するのも良いと思います。

以下は私が使ってきた水スプレーの道具です。100円ショップのものもお役立ち。

霧吹き

100円ショップの可愛い霧吹きも充分使えます。けれど、ハダニは葉の裏にいます。葉の表面にスプレーしただけでは大半のハダニが残ってしまう。

ベランダ園芸で使いやすい霧吹き

逆さで使えるものや、ノズルが長くて葉裏まで楽にスプレーできる霧吹きがあると便利です。

加圧式霧吹き(ペットボトル用)

ダイソー「加圧式霧吹き(ペットボトル用)」。交換用の樹脂製ノズルも付いて100円、素晴らしい単純構造とコスパ。

ダイソーのペットボトル用霧吹き

以前は2本用意して、水専用と、薬剤混合用で使い分けていました。(薬剤といっても、ニームオイルや活力剤など危険の少ないもの。)セットするペットボトルには1Lの目印を書いて希釈の目安にしていました。

加圧式噴霧器

ダイソー「加圧式噴霧器」安全弁付きのしっかりした構造で300円。レバーを固定するストッパーもあるので連続噴射も可能。今の集合住宅のベランダで使用中。

ダイソーの加圧式噴霧器

以前のペットボトル用霧吹きが少し持ちにくかったので、持ち易くて容量多めのものに買い替えました。水専用で使用しています。ハンドルが大きめで持ちやすく、ポンプも案外楽に押せて加圧しやすい。本体裏に使い方が書いてあり扱い易いです。

散水ホース

タカギ「ホースリール」15m、3500円くらい。ベランダの掃除用に用意したものですが、ハダニ除去にも威力を発揮します。作業は、階下に洗濯物が無さそうな雨の日に、ベランダ掃除のついでに。

今の住まいのベランダには水源が無いため、風呂場にホースリール本体を置き、ホースを全部伸ばしてベランダに引いています(室内で接続部が外れると大惨事なので)。

散水ホースの本体は風呂場に

発泡ブロックを枕にして鉢を倒し、葉裏にシャワーを当てて、一気にハダニを流します。水流が手摺からはみ出さないよう用心します。

準備と片付けに手間が掛かりますが、ハダニ除去はあっという間に完了。

薬剤

【殺ダニ剤】は、化学的な殺虫成分を直接ハダニに作用させて駆除するもの。薬剤耐性が付かないように2、3種類を交代で使うのだそう。まとまった量に希釈して使う仕様なので、ウチでは使ったことがありません。庭植えや広い植栽向けと思われます。

【物理防除剤】は、主に「でんぷん」「水あめ」「乳化剤」「油脂類」等の食品由来の成分でできています。物理的に気門を封じるものなので、薬剤耐性も付きません。スプレー容器のものは量の仕様が豊富で、約250ml~1Lと、使い勝手に合わせて選べます。しかも原液のまま使えて便利。数の限られた鉢植え栽培に向いています。

以下は私が使ってきた薬剤です。今はベランダ向きなものを選んでいます。

物理防除剤で殺虫殺菌剤の表示のあるもの

物理防除剤は安全性が高く、繰り返し何度でも使えるのが利点。逆に言うと、効果は使用した時のみで、持続性はありません。食品成分由来でも、虫にも菌にも効くものなら「殺虫殺菌剤」の表記があります。

今のウチの場合、ハダニ対策とウドンコ病対策に使っています。

  • ベニカマイルドスプレー:主成分は、還元澱粉糖化物(水あめ)。臭いは殆ど感じません。
  • カダンセーフ:主成分は、ソルビタン脂肪酸エステル(ヤシ油と澱粉)。うっすら油脂の匂いがありますが、散布後は無臭になります。
  • ロハピ:主成分は、カプリン酸グリセリル(乳化剤)。匂いは殆ど感じません。

使いやすい薬剤スプレー

虫や菌類を包み込むよう、枝葉に滴るほど散布するため、ベランダでも意外と量を使います。

化学薬剤が主成分の殺虫殺菌剤

化学薬剤が主成分の殺虫剤・殺菌剤は残留性があるため、対象の植物に応じて使用回数や時期が決められています。ウチの場合、ハダニと併せてハバチなどの羽虫対策と黒星病対策に使っています。

  • ベニカグリーンVスプレー:主成分は、フェンプロパトリン(殺虫剤)・ミクロブタニル(殺菌剤)。少しツンとする臭いがあります。本体表示によると、バラ等への使用回数の制限は、1シーズン中に5回。株全体への散布で、1回あたり約1~2カ月の効果が持続、というもの。

使いやすい少量サイズの薬剤スプレー

今はベランダで鉢数少なめなので、250mlの少量サイズでちょうど良いです。

ハダニは対策が途切れたときに増える

主に水スプレー、週1/月1で薬剤、という目安で、ベランダでも出来るだけの対策はしています。とはいえ、どうにも手が回らない時には凄い速さでハダニに追い付かれてしまいます。あとはバラの体力を信じるしかありません。涼しい秋風が待ち遠しいです。

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