バラの夏越しは虫との闘い(2016-17)予防の大切さを知る

春の蕾の頃になると虫との闘いが始まります。できれば薬剤は使いたくないけれど、手に負えないときは止むを得ず薬剤を利用します。

怪しい虫

選ぶ基準は「安全で使い方が分かりやすい薬剤」。集合住宅のベランダなので「臭いが少ない/無臭」なほうがいい。また、保管スペースが少ないので「使い切れる量か」も気になります。

1年目・無策で迎えた最初の夏

バラを育て始めたばかりの頃、バラの害虫の知識は、本やネットで見た程度。実際の状況を見たことが無かったのでピンと来なくて、とくに何の対策もせずに最初の夏を迎えました。

コガネムシ幼虫の荒業

4月に1株を頂き、5月に開花株を2株買い足して、3株になりました。ところが、買い足した1株が梅雨明け頃から弱りだし、夏の終わりにあっさり枯れてしまいました。

諦めて片付けようと掘り上げたら、細根がほとんど残っていなかった。土からは甲虫系の白い芋虫がゴロゴロ出現して呆然!これがコガネムシ幼虫の荒業か…。

事前の対策が大事

コガネムシに産卵されたのが、「店頭にあった時」なのか、「ウチのベランダに来てから」なのか?それは分かりません。どちらにしても、何かできることは無かったかな?

3鉢とも、5月末に鉢増し。その際、根鉢を保って植え付けたので、買い足した2株の根周りの土はウチに来る前のもの。当時は鉢増しの方法を調べることに気を取られて、コガネムシのことは意識になく、食害されて初めて、事前の対策が大事だと気付かされました。

鉢植えの場合、植え替え時にできるコガネムシ対策は

  • 「根周りや土中に幼虫がいない状態」にする。→ 薬剤散布/冬の植え替え時なら土を替える
  • 「親虫が産卵できない」ように、鉢にマルチングする。

植え付け後なら「バケツ等に溜めた水に、鉢を沈めて幼虫を追い出す」という方法もあるのだとか。鉢増しの前か後にやっておけば、薬剤を使わずに退治できるのかもしれません。

ハダニ大発生

暑さが本格的になった6月末、2株の葉の半分以上が、白っぽいカスリ模様になっていました。葉裏には、無数の小さな虫が糸まみれで蠢いていて驚愕! これがハダニか…。

微小な害虫

ハダニは水が苦手と知り、水やり時に葉裏にも散水するとか、水スプレーして吹き飛ばす方法を2週間ほど試してみました。ある程度は減るけれど、やめるとすぐまた湧いてくる…。

やむなく薬剤を使用

ハダニは全然退治できず、よくわからない虫まで見かけるようになったので薬剤を使うことに。購入したのは「マイローズ・ベニカXファインスプレー」950ml。ハダニと親コガネムシだけでなく、幅広い虫と病気に対応した農薬です。

使い方は噴霧するだけという簡単さ、効果も確かでした。2株には量が多い気がしたけれど、株の高さが2株とも90cm程あり葉もよく茂っていたので、5カ月で使い切れました。ただ、薬臭が。レビューでは低臭とのことでしたが、マスクをしていても私には辛かった(※個人の使用感です)。

後で知ったのですが、ハダニは薬剤耐性が強いため「殺ダニ剤」を3種類ほど組み合わせて、耐性が付かないような使い方をするのだとか。「1種類を使い切る」という発想は的外れかも。

2年目・失敗を踏まえ、予防を試みる

無策だった最初の年は、食害されて初めて、虫対策は予防が大事と気付かされました。また、農薬の効果の有難さと使い切れる期間、保管や臭いなどの使用感を意識することにもなりました。

コガネムシ対策は、薬剤を使わない方法で。冬の植え替え時に土を落として根をチェック。親虫侵入対策に「鉢マット」と杉皮の「クリプトモス」でマルチング。

ハダニ対策は、農薬以外で、臭いが穏やかで忌避効果のあるものを検索し「NewニームアクトLG」を準備。他の害虫には、発生した時点で薬剤を買うことにしました。

キノコバエ大発生

春の開花後までは平穏でしたが、梅雨の頃、ノーマークの黒い虫が。鉢回りにキノコバエが大発生!飛び立った奴らはサッシや雨樋に集まり、白い雨樋が真っ黒に見えるほどの密集度で驚愕!

原因は堆肥と細かい杉皮くずのようでした。用土に入っている堆肥とコガネムシ対策のクリプトモスが裏目に出るとは…。キンチョールで応戦するも全然追い付かず。

キノコバエクロバネキノコバエ

バラには害は無いけれど、気持ち悪い。不快害虫とはよく言ったものです。隣近所にも嫌な思いをさせてはいけないし…やむなく薬剤を使って元を断つことにしました。

オルトランかダントツか

キノコバエ対策で検索すると「オルトラン」と「ダントツ」という農薬の記事が多く出てきました。ともに良い評価でしたが、ベランダで鉢栽培なので、なるべく早く使い切れる量が重要。

  • 「オルトランDX粒剤200g」1鉢2gで約100鉢分。→この年は10鉢×10回分。1年に4回までとして2年半。臭い有り。
  • 「ダントツ水溶剤125g」4000倍希釈で500L分→1Lで10鉢分として500回分。1年に4回までとして125年(2000倍希釈でも62.5年…)。臭い無し。量が必要な農家さん用でしょう。

臭いは気になるけれど、現実的な使用量で考えて、オルトランを選択しました。

オルトランは使いやすくて良く効く農薬。しかし…

オルトランの効果は劇的で、翌週にはキノコバエはいなくなりました。その後の再発生も少しだけ。でも、使用はこの1回のみ。薬臭が凄くて、私には無理…(※個人の使用感です)。

あの独特の臭いは、別の大きい容器に、オルトランのボトルを丸ごと入れて2重にしても漏れる…。結局、残りは農薬を回収してもらえる施設に有料で引き取ってもらいました。

ともあれ、オルトランのお陰でキノコバエは一掃できました。そして他の対象虫も同時に退治できたのは有難いことでした。

ハダニ対策にレモングラスの香りのニームオイルを試す

ハダニ対策に忌避剤の「NewニームアクトLG」100mlを選んだ理由は、「使い切れる量」だったことと、「どちらかといえば爽やかな匂い」というレビューが多かったこと。また、ニームの対象虫がハエ類やアブラムシ類など多種類だったことにも期待しました。

100mlを1000倍希釈で100L分→1Lで10鉢分として100回分。3日おきに(月10回)使用として10カ月。基本は栽培初期から葉面散布。土に灌水もOK。

夏場のハダニ対策として、毎朝の水やり時に葉裏にも散水。午後に葉水(出来る範囲で)。普段は水の霧吹きで、3日おきにニームアクトの1000倍希釈液を散布することにしました。

マスクをして飛沫を吸わないように注意しつつ、葉裏と株元に霧吹きで散布。後に残るレモングラスとパインオイルの香りが爽やか。その香りも数分で消えました。

散布の効果はいかに

使い始めが5月からと遅かったせいか、ハエ類への効果については分からず(間に合わず?)。上記の通り、6月にキノコバエが大発生してしまいました。

ハダニに対しては、効果はあったと言えそうです。夏の間全体で、下の葉が数枚やられる程度で済みました。「香りが爽やか=使用感が良い→霧吹きの習慣がついた」ことで、「水攻めの効果」+「ニーム成分の効果」を活かせたのかも。数が少なめの鉢栽培だから出来たことかもしれません。

葉裏に散水

秋以降は、冬の植え替え時まで他の虫もあまり見かけませんでした。(梅雨時にオルトランを1回撒いていたことで、ハエ類と一緒に、初期数を減らせていたからかもしれません。)

次のシーズンも、予想外の事態にも慌てなくていいよう、しっかり予防をしていこうと思います。

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